芦別へ

8月最初の日曜日。家族で芦別市にて開催されるミュージックハーベスト2015に参加してきた。
芦別市は彫刻家の吉岡滋人さんの故郷。いつもお会いするのは札幌だったので、こちらから会いに行くのは初めてになる。
僕が芦別を訪れるのは20年振り。車酔いが酷かった僕は父が運転する道中のほとんどを寝て過ごしていたので、道順がわからない。滝川市までは高速。久しぶりにシフトを6速に入れた。

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前夜に暗記してきた道順で、無事に会場となるスターライトホテル前に着いた。長身の吉岡さんはすぐに見つかった。大きな掌で握手をして下さり、僕の家族を紹介させてもらった。
ホテル前の駐車場では既にアート部門のイベントが始まっていた。吉岡さんの友人である画家の木島孝文さんによるライブドローイング。駐車場のアスファルトにとても細いチョーク?で下書きされた大小の花のような模様に、参加者が好きな色のチョークで思い思いに色をつけていく。この日は暑かったので吉岡さんも木島さんも大変そうだったが、僕達も参加させてもらい妻も息子もしばらくの間没頭していた。

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ライブ会場入り口では吉岡さんの作品が出迎えてくれる。ロッソで塗られた大きなダチョウ。題名は「マイフェラーリ」。木彫の象は息子がえらく気に入り、何度もまたがっていた。「このダチョウと象は吉岡さんが作ったんだよ。」と息子に伝えると、「ヨシオカさんがつくったの?スゲェ!」と目を丸くいている。「ゲイジュツ」に普段から親しんでいる家庭ではないので、親も気の利いたコメントができない。

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入口近くのテントの一角を吉岡さんご夫妻が空けて下さり、そこでコンサートを観ていたのだが、お目当ての「最終少女ひかさ」の出番になると、僕が言いだす前に息子が「おとうさん前いくぞ!」と言う。実は先月、札幌市民音楽祭の4丁目交差点のステージでの演奏を2人で観に行って以来、息子がギターのシュンキ君のファンになってしまった。どうやら演奏中のパフォーマンスがツボだったみたい。この日の朝もYouTubeで予習をしてきたので、ライブがスタートすると謎の踊りを始めた。僕は少し恥ずかしかったが、親子でライブを楽しめる日がこんなに早く来るとは思わなかった。オーディエンスの中に、ノリノリで踊る吉岡さんの奥様がいたのにはびっくりしたが、共通の話題ができたような気がして嬉しかった。

この日、息子はシュンキ君の顔マネを新たに編み出し、鍵盤のラモネスさんのことも好きになってしまった。

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帰る時間が迫り、ライブドローイングの会場に戻り吉岡さんと木島さんに挨拶とお礼の言葉を伝えた。吉岡さんは大きな掌で握手をしてくださり、木島さんは作品の周りに僕達の名前を書かせてくれた。完成を見届けることはできなかったけど、とても良い時間を過ごさせてもらうことができた。
最後に吉岡さんと写真を撮って頂いた。僕の身長は173㎝。

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帰りの高速はさすがに眠い。車内で東京FMの「あ、安部礼二」を聴くのは久しぶりのような気がした。妻が珍しく寝ずに話し相手になってくれている。

息子は大きなもの・強いもの・かっこいいものが大好き。父親である僕には何か当て嵌まるものがあるか?と考えると、無い。
いつか吉岡さんが「僕は大したことないけど、大した人達とはつながっているつもりです。」と言っていた。僕もそうかもしれない。
ぐいぐいと背中で引っ張っていける父親にはなれないかもしれないけど、様々なジャンルで活躍する「スゲェ」大人たちと出会わせてあげることならできるかもしれないと思った。きっとその時間は僕にとっても楽しいものだろうし。

今年の我が家の「THE 夏」はこの日かもしれない。「スゲェ皆さん」のおかげです。ありがとうございました。

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