僕の友達

8月の初め、友達のK君が仕事で札幌にやってきた。移動日の初日に会うことにした。

もうとっくに新千歳空港から快速エアポートに乗って札幌に来ているはずなのに連絡が無い。仕事が終わったので連絡してみると、札幌に来てまでヨドバシカメラにいたという。羽田の時点で携帯のバッテリーがピンチだったそうで、そのためだったらしい。K君は昔から携帯のバッテリーがいつもピンチ。デジカメもいつもそうで、その上容量が一杯で撮れない。
宿泊先にもまだチェックインしていないというので、ホテルで待ち合わせることにしたが電話に出ない。残り少ないバッテリーが遂に無くなり、ドコモショップで急速充電をしてもらっていたそうで、ようやく会うことができた。1年振り。
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K君と初めて出会ったのは僕が18歳のとき。K君は19歳だった。東京の西の方の出身だが、「せっかくなら」ということで代々木ゼミナールの本校に通っていたらしい。入学して早々僕達は同じ部活に入り、同じバンドに所属し、ときどき短期のバイトも一緒にやった。なかでも全日本プロレスの興行のバイトは貴重な経験で、生前の馬場さんや三沢さんを近くで観ることができた。

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K君は僕にとって初めて会う人種だった。当時の僕は、他の人とちょっと「違う」ことに必死だったように思うけれど、K君はとっても自然体で「良いものは良い」といったスタイル。部活の遠征でよくK君の助手席に乗ったが、K君は前日にレンタル屋さんでJPOPのシングルを沢山借りてきてMDにまとめ、道中のBGMにする。高校の3年間、ほとんどJPOPに親しむことなく生きてきた僕は、K君のおかげでずいぶんとJPOPを覚えた。
確かに良い唄もあった。良いものは良いのだ。

K君は遠征先の宿舎でよく新聞を読んでいた。ニュースを一緒に観ていても政治に対して自分の意見をもっていた。僕はそのたび自分を少し恥じた。親しみやすいキャラクターでありながらも一本筋が通っているK君は後輩からも一目置かれており、先輩にとっては多少扱いにくい存在でもあった。僕はどちらかというと誰にでも合わせてしまう方なので先輩からも可愛がられていたけれど、そんな自分を少し恥じていた。だけどK君はそんな僕を軽蔑したりはせず、認めてくれていた。

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社会人になってからは関東と北海道でそれぞれ違う道に進んだが、僕は長い休みの度にK君を頼って出かけたし、K君は「北の国から」の大ファンだったので2人で道内を周ったりもした。当時は共通の友人の結婚式も頻繁だったので、年に4~5回は会っていたかもしれない。
互いにそれぞれ結婚をしたり、子供の誕生などがあってなかなか会えない時期もあったが、有難いことに家族を交えての交流に発展し、現在に至る。

車にK君を乗せて一旦僕の家に行き、息子を風呂に入れた。その間K君はサッポロクラシックを呑みながら妻と談笑している。妻もK君が大好きだ。息子もだんだん記憶が蘇ってきたのか、K君に自分の近況を話している。今回のお土産は「あえて」の「東京ばなな」で、僕は苦笑してしまったが、妻と息子は大層喜んでいた。K君のお土産はいつも「あえて」ベタベタなのだ。

2人で僕がよくお世話になっているお店に行き乾杯した。話題は友人、家族、仕事。時事問題はK君の考えに耳を傾けた。K君の存在はいつの間にか僕が何かマジメに考える上でのひとつの基準になっている。

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店を出て缶ビールを買い、少し歩く。北海道の夏はやはり快適らしい。連日の猛暑と、たまった仕事で疲労困憊のK君は、2軒目のお店で頼んだジョッキを盛大にこぼして寝てしまった。毎日頑張っている何よりの証拠だと思う。まだ時間は23時前だったが、お互い明日も仕事ということで解散することにした。少し悔いが残った方が、次回につながるような気もする。また会おう。

最近ブログが長文になってしまい反省。「写真多めです」というパターンもやってみたいけれど、これもまたハードルが高い・・・

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